かわちながの百景NO・62 2011・9・2
流谷の民家
井上喜代一氏のスッケチ
前頁の絵は上方を描いたが、今度は、ほとんど同じ場所から下方を描いた。 流谷はそれこそ谷底に、大和棟の大きな家がある。
二階さんの家である。
東西と北の三方は鬱蒼たる喬木に蔽われ、谷あいの亭々たる老杉は寒気に赤茶けていた。
南は開放され、温かい陽ざしをうけて明るい。
ここから渓流に沿って段々畑や水田が、上へ上へと重なるのである。
畔の柿の木にとり残された熟柿が干からびてしまった。
今年は、山鳥も柿の実を食べきれないのだろう。
山里の点景ととして好材料である。
井上喜代一氏 文
流谷の民家 11,8,20
以前、「大阪の石仏」の本の中に、流谷の観音寺(廃寺)の石仏を見て、二度ここに来てみたが、わからなかったが、今回四度にして、この旧家の付近にあることを知る。
この日は島の谷に行き、大雨に見舞われて退散して、ここに来たが、小雨の流谷はとても美しい風景に出会うことが出来た。